料理の「さしすせそ」といえば、砂糖、塩、酢、しょう油(せうゆ)、味噌(みそ)のことで、この順番に使うと料理がおいしくできるという、おばあちゃんの知恵袋的な知見です。
実はこの「さしすせそ」という順番は、科学的に分析すると理にかなっていることがわかります。
塩を構成する分子は非常に小さく食材に染み込みやすいため、塩を先に入れると後から入れた砂糖が食材に染み込む余地がなくなってしまいます。
そこで砂糖を先に、塩を2番目に入れるわけです。
次に酢を入れるのは、酢にタンパク質を固める働きがあるためと、この段階で入れて加熱を続けることで、強すぎる刺激臭を飛ばすため。
しょう油を後半で入れるのは、加熱時間を短くして、揮発性の高いしょう油独特の香り成分を飛ばさないためです。(醤油は香りづけの意味合いも強い)
味噌を最後に入れるのは、加熱しすぎると、味噌に含まれるタンパク質が変質する可能性があり、香りや風味も飛んでしまいやすいからです。
そのため、味噌は最後に火を止めてから入れ、ひと煮立ちさせるだけで料理を締めくくることが多いのです。
これらのことは、料理をする際は覚えておいて損はないと思います。
で!料理でも順番が大切なように、様々なことでこれは言える気がします。
特に順番が大切になってくるのが、"人の成長"ではないでしょうか。
大人にとってはプラスの効果をもたらすものでも、子供には劇薬になってしまうことがあるかもしれません。
どの段階で、何を見せ、何を見せないか、何を与えるか、与えないか、など、なかなか難しい問題です。
例えば字を書く、というのもまず鉛筆から始まって、 鉛筆でしか味わえないような繊細な力の入れ方や字の濃淡を体感したうえでシャーペンやボールペンに入り、字を書くとは何たるかを学び、タイピングに入る、とかかな?
最初にタイピングの楽さを味わってしまうと、なかなか鉛筆には戻りにくい気がします。
また、まず自然などの現実世界を実体験として豊かに経験したうえで、インターネットの世界を知る、などもそうでしょうか。
これは刺激が強過ぎるものを最初に知ってしまうと、自然のような、刺激は穏やかなだけど味わい深いものが物足りなく感じてしまうかもしれない、という感じですかね。
子育ての全体的な方針としては、その時にしかできないこと、 吸収できないことを大切にして、後から学べばいいことは後で学ぶ、という感じかな。
焦らずじっくり、順番を意識していきたいと思います。
終わり