いわゆるハイブランドの代表格ともいえるルイ・ヴィトン、日本の都市はもちろん、海外に行く時も、必ず見かけると言っても過言ではない有名ブランドです。
LとVを合わせた文字に花と星をあしらった有名なロゴは目を引きますよね。
あの模様、どこかで見たことがある気がしないでもないのですが、実はあのロゴのモチーフは日本の薩摩藩、島津家の家紋を参考にして考案されたものなんですね。
ルイヴィトンの模様が使用されだしたのは1896年のことで、当時のフランスは「日本ブーム」が巻き起こっていました。
翌年に開かれたパリの万国博覧会には薩摩藩が出展し、家紋の入った品物が展示されていました。その家紋にルイ・ヴィトンのデザイナーがヒントを得て、あのロゴが考案されたんですね。
カバンや財布などの商品ラインアップの一種であるダミエも日本の市松模様という模様から生まれているといいますし、ルイ・ヴィトンのデザインの根底には日本的なデザインがあるといえるのではないでしょうか。
※ダミエ
このように、ルイ・ヴィトンが島津家の家紋をパクッ・・・いや、オマージュしたわけですが、このように物事のエッセンスを抽象化して全く異なる文脈で使うことで、クリエイティブが発展していくのだと思っています。
この世に「完全なオリジナル」って、そうそうないですからね。
スタイルを踏襲して、そこに自分なりの独自色とかアイデアを加えて、本家を超えてもっと魅力的にしていけばいい。漫画「ワンピース」も古今東西の伝説や物語をかなり巧妙にオマージュしていたりします。
また、チェスが強い人が将棋も強いように、「このようにこうだ」と応用できることが、AIと人間の大きな違いの一つだと思います。
では、オマージュとパクリの違いは何か?
Wikipediaによるとオマージュとは、
「芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。」
とのこと。
つまり、リスペクトが大事であると。
ルイ・ヴィトンが極東の日本のイチ氏族・島津家の家紋のデザイン性や美的センスをリスペクトして取り入れ、100年以上世界中で親しまれていることは、島津家としても嬉しかったんじゃないかな。