どうもです。
肉は体にいいのか、悪いのか。
これはずいぶん前から議論されてきたテーマである。
科学技術の進歩はめざましいわけだけど、案外、最新の知見をもってしても、「肉が体にいいのかどうか」という素朴な疑問に対して、いまだに意見が分かれている。
なぜこの問いがそんなに難しいかと言うと、「人によるから」なんじゃないかな。
より具体的にいうと、その人の、いわゆる「腸内環境」の状態によって、肉食の是非は変わってくるんだと思う。
たとえば、パプアニューギニアの原住民は、基本的にタロイモとかヤムイモなどのデンプン質だけを食べていて、肉などの動物性タンパク質はほとんど摂取していない。
それなのに、若者たちは筋骨隆々とした体をしている。これは理屈に合わないことだけど、なぜ彼らは健康を保つことができるのか。
この謎については様々な説があるものの、腸内細菌が何らかの影響を及ぼしており、栄養調整機能を果たしているという説が有力とされている。
腸内の微生物はとてもすばやい順応性がある。
ある実験では、肉や卵など動物性食品を食べるグループと、穀物や野菜など植物性食品を食べるグループに分かれて腸内微生物がどう変化するかを観察した。
結果、腸内細菌の組成バランスは変化し、植物食のグループは植物の細胞壁を分解できるタイプの細菌を急速に増やした。
動物食のグループは植物好きの細菌を失い、タンパク質を分解し、肉に含まれる発癌物質を解毒するタイプの細菌を増やした。
この実験に参加した男性の1人は、物心ついてからずっとベジタリアンだったが、動物食グループに割り当てられた。
その男性が肉食をはじめると、4日もしないうちに動物性タンパク質を好む細菌が、数の上で植物好みの細菌を追い越したという。
この順応性ゆえに、僕らの祖先は、その時点で手に入る食べ物を精一杯利用できたのだろう
ー 収穫期には食物繊維が豊富な食べ物を、狩りに成功したときには肉を、利用してきた ー
こんな感じで、摂取する側のコンディションの要素がある上に、動物性食品は、肉一つとっても多岐にわたる。
工業的に生産された肉もあれば、牧場でのびのび育てられた肉もあれば、ジビエみたいに野生の獣肉もある。
というわけで結論は、なるべく上等な肉を、それを処理できる腸内環境を作りながら適度に食べる、という、当たり障りない所に落ち着きました笑
終わり