どうもです。
腸内細菌とか、腸内フローラとか、最近よく聞くようになった。
せっかくなので、少し掘り下げてみたい。
ヒトの遺伝子情報の完全解析が達成されたのは、今からほんの20年ほど前の、2003年の話。
その時、研究者たちが驚いたのは、ヒトの遺伝子が線虫とほぼ同じ21,000個しかないことだった。
これは、31,000個の遺伝子を持つミジンコをはるかに下回る。
なぜヒトは、そんなに少ない遺伝子で、ミジンコとは比較にならないほど複雑な生命活動ができるのだろうか?
そのカギは、体内に棲む微生物に多くの活動を外注、アウトソーシングしていることにあった。
僕たちは、ひとりで生きているわけではない。人体は、共存共栄しながら僕たちの体を維持している生物の集合体である。
ヒトの細胞は大きさや重さでは大きいが、数で比べれば共生微生物の細菌の方がはるかに多い。
微生物の遺伝子の総数は、440万になる。
この、微生物の440万の遺伝子が、2万1000のヒト遺伝子と協力しながら人間の体を動かしている。
具体的には、人間のDNAでは作れない物質を、微生物のDNAに作ってもらい、その代わり、人間が食べた食物を微生物にエサとして与える戦略をとった。
そして微生物は、腸の壁を作り、有害な細菌が人体内部に侵入するのを防御したり、エサを食べて栄養分、ビタミン、酵素を作成し、これを人が吸収できるようにし、自分の生存に有利な環境を得た。
腸内細菌は、人が選んで食べたものを好んで食べる種が住み着くので、腸内細菌は指紋のように各人で異なる。
人のDNAは生まれた時に決まっている運命だが、腸内細菌のDNAの方は自分で選べる。
つまり腸内細菌を健康的に保つことは、自分の意志で選択できる余地があるということになる。
その昔、ギリシャの医者ヒポクラテスが「すべての病気は腸からはじまる」とまで言ったけど、
腸内細菌が及ぼす影響は、ヒトのDNAそのものより、はるかに大きい。
具体的な所は、また今度語らせてください!
続く