どうもです。
前回に引き続き、見解が変わった事例で、今回はコレステロールについて。
コレステロールは、体内の主要成分であって、特に脳は、水分を除けば脂肪が40%を占め、さらにその30%がコレステロールでできています。
コレステロールは、細胞膜を構成する成分で、ホルモン等の原料にもなっており、実は生きていくのに欠かせない脂質。
血中のコレステロールについては従来、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化などの原因とされていたのですが、
最近になって、じつは梗塞の現場にコレステロールが見つかっただけで、コレステロールは犯人ではなく、血管損傷の修復係であることが明らかにされてきました。
火事の現場で見つかったコレステロールは、放火犯ではなくて消防士だった、という感じです。
また、体内のコレステロールは、食事で作られる割合が20%で、残りの80%は肝臓で合成されています。
コレステロールをあまり摂取しなければ、体内合成分が増えますし、たくさん摂取すれば、合成分が減る、というバランスができているので、
食事のコレステロールの量と体内のコレステロールの量は関係がありません。
「コレステロールが上がるから卵は1日1個まで」と長らく言われてきましたが、コレステロールの摂取量と体内の量に関係ないことがわかってきたため、2015年に厚労省がコレステロールの摂取上限値を撤廃しました。
しかし例えば三石巌という研究者は、1970年代には「卵を食べてもコレステロールは上昇しない」、「コレステロールで動脈硬化が起こった動物実験の結果はウサギのような草食動物を使用」といった、現代でもそのまま通用する論拠を挙げ、コレステロール摂取と動脈硬化は関係ないことを主張していました。実に40年以上前の話です。
こんな感じで、公式見解が後に変わることはしばしば起こりうる。
ショーペンハウワーという人がこのようなことを言っています。
「新しい真実が出てくると、最初は無視される。次に激しい反対にあう。そして最後には『そんなのは最初からわかっていたことだ』といって処理される。」
歴史の教科書の知識であればいいかもしれませんが、これが健康に関わることとなると困ったことになります。
そしてこれを当世に見定めるのは簡単じゃないと思いますが、
だからこそ、続けて学び、咀嚼し、実行しながら、自分の健康は自分で守らなければならないのだと思います。
終わり