どうもです。
今日は個人的に好きな人類学的なテーマです。
人間にとって何が自然な生と言えるのか?という問いを考える上で、はるか昔、文明社会以前の人類について考察することがヒントになると思っています。
なぜ、人間には体毛が無いのか?
これについて、猿人と現代に通じるサピエンスの間に、化石の空白期間があり、決定的証拠がないために確たることは言えないそうです。
そのため様々な説がありますが、一つは、人類の祖先が最初に住んでいた木の上から地上に降りてきて、
その後サバンナで暮らしながら進化し、暑かったから体毛が消失したというサバンナ説です。
人間が体毛を捨てて、さらに汗をかくことで体温を下げられるようにしたことで、長時間暑い環境にいられるようになりました。
体温が2〜3度あがるだけでかなり体に不都合な事態になるのは経験済みだと思いますが、
例えばチーターは短距離走は速いですが、すぐに体温が上がり、毛皮と汗が出ないことから体温を下げることができないため、すぐに止まってしまいます。
体温が高くなりすぎないように調整する力は生物にとって重要で、犬は舌を出すことで体温を下げていたりします。
人間の場合はというと、体毛がないことと、汗をかくことによって、体温を下げています。
体毛がないことや、汗をたくさんかけることは動物界では実は例外的で、ダブルで獲得している人間は動物界屈指の体温調節機能を持っていると言え、結果として、
ずっと走り続けることができます。
このことが、人間が自分より足が速い獲物を捕らえることを可能にしたといわれています。
つまり、マラソンのように獲物をしつこく追い回し、相手の体温が上がって走れなくなったところをしとめる、という戦略をとりました。
他の動物がなぜ体毛を捨てる戦略を取らなかったのか?という点については、
夜は寒かったから、という理由になります。
サバンナのような地帯は熱しやすく冷めやすく、日中暑くても夜はかなり冷えるため、毛皮を捨てることは生存率が下がることを意味しました。
体毛を捨てた人間はというと、服を着ることで、寒さをしのぎました。
人間は、非常に便利な着脱可能な毛皮を獲得したわけです。
そして、派手な羽を持つクジャクよろしく、動物界において外見も一定の役割を果たしていて、
人間の服も服飾、ファッションの要素を持つようになっていきました。
、、、というのが、主流とされているサバンナ説です。
実は人間に体毛が無い理由を説明する仮説は他にもあって、
人は進化のある時期に海で生活していたのではないか?とするアクア仮説もその一つです。
アクア仮設を主張するおもしろい本に出会ったので、これについて次回取り上げてみます。
続く