本日は「戦略」についてです。
戦略とは、文字通り戦いを略することですが、これを端的に説明する興味深い話があります。
宇宙開発のエピソードで、普通ボールペンは無重力状態ではインクがペン先まで届かず、宇宙空間では書けないんですね。
そこでNASAの優秀な科学者が10年の歳月と100億ドル以上の費用をかけて研究を重ね、無重力でも、上下逆にしても、水の中でも、氷点下でも、高温の状態でも書けるボールペンを開発しました。
一方、ソ連は鉛筆を使ったといいます。
こちらのエピソード、宇宙空間でも使えるボールペンをわざわざ開発しなくても、ボールペンが使えないならシンプルに鉛筆でよかったんじゃ...?という話なのですが、
何か問題に直面したとき、技術に詳しい人ほど自分の技術にとらわれてしまい、その技術を使って簡単な問題を難しく解決しようとする傾向を説明する際にこの話は引用されたりします。
たしかに、何かの技術、知識に習熟するほどそこに囚われてしまいがちなのかもしれません。
そんな中、この鉛筆エピソードは、「”鉛筆”的技術の引き出し」があるか、
そしてどの場どの時に”鉛筆”を使えば効果的なのかという判断や、
「”鉛筆”でもいいじゃないか」と切り替える柔軟な思考の重要性を示唆しているように思います。
そんな感じで、略せる戦いは略す戦略も時に大事なんだと思いました。
本来、戦略とは文字どおり「戦いを略す」ことで、いかに略するかが重要な局面が少なくありません。
しかし、人はつい略さずに難しく考えてしまいやすいものだったりします。
不確実で難しいことを避け、簡単で確実な所に注力することが「戦略」の本質なのかもしれません。
P.S.
ちなみに、宇宙でも使えるペン、
Amazonで売っていた(高いw)
宇宙でも使えるペンにこだわって開発して、結果ここまで普及しているというのもまた、ロマンがあると思いました(^^)