オキシトシンというホルモンがある。
愛情ホルモンとも言われるこのホルモン、出産の時に大量に分泌する。
体に作用して陣痛を促進する働きがあるほか、脳にも作用し、愛情を注ぐためのホルモンでもある。
出産時にオキシトシンのシャワーを浴びた母親は、産まれた赤ちゃんを見て、「どんな犠牲を払ってでも我が子を守ろう」という気持ちに自然となる。
出産後も赤ちゃんと触れ合うたび、オキシトシンは頻繁に分泌され、愛情を深めていく。
こうしたことが、誰からも教えられなくても脳にプログラムされているというのは神秘的だと思う。
こんな感じで、女性はオキシトシンによって劇的に脳が変化するんだけど、男性はここまでの変化は生じない。
それでも、オムツを替えたり、抱っこしたりして子育てに参加すると、男性の脳であってもオキシトシンが出る。
お母さんのオキシトシンの濃度は赤ちゃんが誕生した瞬間から高いが、父親も子育てをすればするほど、オキシトシン濃度は高くなり、最終的にお母さんと同じレベルに届くことがわかっている。
子育てはやってみると楽しくなってくる、と言うけれど、一つにはオキシトシンが出るからなのだろう。
一方、オキシトシンには意外な作用もあって、他者に対して排他的にならせる働きもある。
オキシトシンが分泌されると、仲の良い人とはより強い信頼関係を結ぶようになるが、そうでない人とは疎遠になり、攻撃的になることさえある。
「敵vs味方」の対比が鮮烈になるとも言える。
動物でいうと、子育てをしている動物は警戒心が強く、近づくものを攻撃することがあるが、これがまさにオキシトシンの作用。
自分の子にとって危険性のありそうなものを退けるわけだ。
「出産後に奥さんが怖くなって...。」という旦那さんの話を聞くことがあるが、たしかに子供が生まれると他の家族にきつく当たるお母さんがいるようだ。
これもオキシトシンの作用ともいえて、お父さんも「仲間」の枠の中に入らなかった場合、攻撃対象になり得る。
線引きの外側に置かれてしまうと、後から内側に入るのは難しい。
つまり、子どもが生まれる前から「子育て」は始まっていて、オキシトシンによる仲間の輪に入っていないと、お父さんの子育ては大変な作業になる。
ということで、当方、いつ子供が産まれてもおかしくない状況に今なっているのですが、子供が生まれたら頑張ろう、ではなく、生まれる前から「オキシトシンの審判」に耐えられるよう、奥様との信頼関係の構築を頑張りたいと思います笑
終わり