今仕事で商品開発的なことをやっている。
それで商品の魅力を伝えるかっちょいいキャッチコピーを考えようとしてるんだけど、一緒にやってる会社の人が勉強会で考え方を教えてくれた。
「まだない商品や、自分自身の目指すものについて、本当に自分の頭で考えて、自分だけの言葉にするのは容易ではありません。
それらしい借り物の言葉をコピペして、日々の言葉をやり過ごしてないでしょうか?
定型的な言葉で語られる商品は、定型的なものになります。
これは私たちの生活でもそうで、ありきたりな毎日に飽き始めた、そんな瞬間があるとしたら、日々の生活がありきたりな言葉のコピペでつくられているからかもしれません。
逆に、新しい言葉を生み出し、使うことで新しい認識や感覚を得ることができます。
象徴的なのが「もったいない」のエピソード。
ケニアのノーベル賞受賞者・ワンガリ・マータイさんが来日した際に「もったいない」という言葉に出会いました。
英語だと「wasteful: 浪費的な」と訳されますが、これだとあまりにもこぼれてしまうニュアンスがあることに気づきます。
それは「もったいない」に含まれる自然や日用品への敬意であり、「ものを愛おしむ感覚」でした。
環境問題に向き合うために必要な考え方を一言で凝縮できる言葉が他になかったのだ、と語るマータイさんによって、「もったいない」は世界中に広がりました。
このように、言葉には意味を凝縮することができるんですね。
商品のコンセプトを考える時に大切なのはこれで、美しい言葉で化粧を施さなくても、意味が凝縮された表現であれば自分だけの言葉になります。
その上で方法論をお伝えすると、いきなり結論の言葉や文章を考えるのではなく、まずは頭に浮かぶ要素を書き出します。
商品の情報や、利用している姿、その時の感情など、頭の中にある全てを書き出しましょう。
例えば、ある商品を、「すごくいい」のような抽象的な言葉でしか表せていなかったところから、要素を書き出していくと、どんどん解像度が上がって、誰にとって何がどういいのか具体的に浮かび上がってきます。
すべて出し切った上で、一言で言うとつまり◯◯、という風に再度抽象化すると、「すごくいい」以外の言葉が出てくるはずです。
この言い換えられた言葉は、さっきの「もったいない」のように、意味が凝縮された、自分だけの言葉になっています。
こんな感じなのですが、何となく伝わりましたか?」
エ「トリビアの泉でいうと「20へぇ(最高得点)」っす!!」
終わり