前回、牛乳からチーズを作ってみたのですが、その時に昔々聞いたチーズの起源を思い出しました。
昔々、砂漠で商人が羊の胃袋で作った水筒に牛乳を入れ、ラクダに結びつけて旅をしていた。
しばらくして、乳を飲もうとしたところ、そこから白いかたまりが出てきた。
そのかたまりを食べたところ、驚くほど美味しいものだった。
これが、チーズの誕生である。
今回、ミルクがチーズになるメカニズムを調べてみたところ、このチーズ誕生の逸話にその秘密が隠されていました。
さっきの逸話では、羊の胃袋にミルクを入れていた、ということでしたが、哺乳類の胃袋には乳を凝固させるレンニンという酵素が入っています。
この酵素により液体のミルクが胃に入った後、凝固して液体と固体に分かれ、液体がホエイ、固体がチーズになります。
このホエイには栄養素を吸収する力を高める作用があり、まず腸に流れることで腸の状態を整えます。
固体のチーズを作ることができる酵素は、人間含め赤ちゃんにしか備わってなく、大きくなると自然に失われて、「乳離れ」となります。
つまり大人になると牛乳を飲んでも液体のままなので、最大限栄養を吸収できないことになってしまいます。
牛乳はけっこう賛否両論があったりしますが、否定説はここらへんを論拠としていることもあります。
とにかく、水分中に溶けていたタンパク質が酵素の力で溶けられなくなり、凝固したものがチーズなわけですが、
生まれたばかりの哺乳類の赤ちゃんは固体を咀嚼することができません。
そこで液体のミルクを飲み込んで、お腹の中で液体のホエイと固体のチーズに分けた後、ホエイで腸を整え、最後にゆっくりと固体のチーズが腸を通り、栄養を効率よく吸収できています。
液体だと長く腸に留まれないので、タンパク質や脂質を消化しきれず、栄養を取り逃してしまうのですね。
つまりチーズというのは、哺乳類が生まれた赤ちゃんを一番効率良く成長させるために、進化の過程で生み出した驚くべき産物だというわけです。
...都合良すぎやろ( ´_ゝ`)!
このあたりのメカニズムの都合の良さに、神秘ささえ覚えるのでした〜(めざましテレビの「今日のわんこ」風)
終わり