牡蠣の養殖は、川の水が流れてくる河口、川と海の境界で行われます。
昔から、牡蠣の養殖を営む漁師の経験則で、牡蠣の養殖場に流れ込む川の上流に森があると牡蠣が良く育つというものがありました。
後に研究者が調べてみると、土に含まれるミネラルである鉄分が、森の木の葉によって作られる腐葉土の成分であるフルボ酸とくっついて、「フルボ酸鉄」になり、
フルボ酸鉄を海の植物プランクトンが食べて成長し、その植物プランクトンを牡蠣が食べて成長している、という仕組みであることがわかりました。
盆栽に鉄釘を刺すと葉がシャキッと元気になるそうですが、植物にとっても鉄は重要な存在です。
ところが普通の鉄が海の中にあってもすぐに酸化して錆びてしまい、重くなって沈んでしまいます。
それを沈まないようにしてくれて、かつ鉄を植物プランクトンに吸収されやすくしてくれるのが、森が作った腐葉土に含まれるフルボ酸というわけです。
そんな森の恵みであるフルボ酸鉄を食べた植物プランクトンをたっぷり食べて育った牡蠣、いかにも森と海由来の栄養がたっぷりな感じがしませんか(^^)?
含有量ランキングでも上位を占めていますが、牡蠣と言えば亜鉛が豊富。(「小麦はいが」も何気すごくない!?と思いきや、そんな多食できなそうなので実質牡蠣の独壇場っぽいっす!)
さらにさっきの鉄分であったり、ビタミン類も豊富で、欧米では多分その豊富な栄養ゆえに「海のミルク」という謎の異名もついています。
生牡蠣にはレモン、牡蠣鍋にはポン酢がオススメです。レモンの中のフルボ酸に似たクエン酸によって、牡蠣のマグネシウム、カルシウム、亜鉛などのミネラルが体内に吸収されやすくなるためです。
この、ミネラルを吸収されやすくする作用を「キレート作用」というのですが、人間向けのキレート成分はクエン酸、自然界のキレート成分はフルボ酸というわけです。
「キレートレモン」のキレートですね。
そんな海のミルクである牡蠣、Amazonでまとめ買いしたり、たまに見かけた時に買ったりして、ちょこちょこ味噌汁に入れたりしています。
終わり