どうもです。
前回、進化論の文脈で「定説」という話が出たが、世の中には他にも多くの定説がある。
代表的な定説に、「地球温暖化問題」がある。
定説は基本的には覆らないし、それが定説の定義のようなものである。
誰にも否定できない新事実が明らかになったりして定説が覆れば、天動説から地動説への転換のような、いわゆるパラダイムシフトということになるが、よほどのことがない限りは定説は定説として存在し続ける。
「大気中のCO2濃度の増加のため、地球は温暖化している。そしてそれは近年ますます加速している」ということは、小学校でも教えられている定説。
しかしこれに異を唱える学者もいて、反対意見も実は少なくない。
例えば、1940年代から1970年代にかけて、世界的に工業化が進み、人間活動によるCO2排出量は増えたが、この30年間で地球の平均気温はむしろ低下傾向にあった。
そもそも、CO2排出量が増えたとはいえ、産業革命以前と現在とで大気中のCO2の割合を比べると、1万分の1%しか増えていない。
また、地球の気温が近年上昇傾向にあるのは事実だが、本当に地球の気温に影響を与えているのは、CO2濃度ではなく、太陽の活動度ではないかとする主張もある。
太陽黒点や磁気波の減少など、太陽の周期性は地球の気温と相関が強いようで、
そこから推測すれば、太陽活動は現在がピークで、あと数年から数十年のうちに地球気温は次第に低下し、小氷期に突入する可能性が高いという。
もしくは、1940年代から30年ほどあったような寒冷化のトレンドが、近年すでに始まりつつあるという話もある。
こんな感じで、寒冷化を象徴するような事例もあるわけだが、これについては太陽活動の影響という説もあれば、海洋の状態が変化したためだという説もある。
今後のトレンドについて、確たることは言えないが、少なくとも近年一気に温暖化しているとは断言しにくいファクトもあるように思われる。
たしかに、天気予報において、最新の分析技術を駆使しても、1週間後の天気ですら正確に予測することは非常に難しいわけで、
数十年後の気候がどうなっているのかという予測は、どんな主張であれ、不確実にならざるを得ないんじゃないかな。
まとめると、地球が温暖化していることは事実かもしれないが、それがCO2など人為的な原因なのか、自然現象の範疇なのか、確定的に断定できるかは不明確、と言ったところだろうか。
地球は温暖化しているのか、寒冷化しているのか。
この問題がおもしろいのは、近い将来、誰の目にも否定しようのない形で真偽が明らかになるところだ。
どちらの説が正しいのか、世界中の人が肌で体感することになる。
30年後とか、多分僕が生きているうちに答えが出るだろうから、今から楽しみにしています。
終わり